「新大学構想〈提言〉」について
公立大学法人大阪市立大学
理事長兼学長??? 西 澤 良 記
大阪府?市では、今後の大阪の成長に貢献する公立大学のあり方について、外部有識者による新大学構想会議を設置し検討が進めてこられましたが、このたび、「新大学構想〈提言〉」が示されたところです。
新大学構想会議においては、新たな公立大学ビジョン策定の背景として、世界的な都市間競争に打ち勝つ『強い大阪』を実現する成長戦略において、都市の知的インフラとして大学の活用は不可欠であること、二つの大学をあわせれば学生数2万人規模の公立総合大学となり、これまで培ってきたポテンシャルの活用が重要であることが示されております。また、ビジョン策定の視点としては、「大阪の成長戦略への貢献」、「自治体との連携や教育行政への貢献、実践的研究などの公立大学らしさの追求」、「両大学が培ってきた伝統と蓄積の活用」が重要な視点とされております。
こういった背景や視点を踏まえて、新大学構想会議では、この間、各学部へのヒアリングやデータ分析などを通じて、本学の現在の姿を詳細に評価?検証されたうえで、府立大学と統合を基本に、それぞれの特徴を最大限に活かした教育組織の再編や教員組織改革など、大学改革の「さきがけ」としての新しい公立大学の姿を検討してこられました。
現在示されております「新大学構想〈提言〉」においては、具体的な将来像として、両大学を統合した大幅な教育組織の再編が示されています。特に、両大学の理系の強みとなっている分野を統合した「地球未来理工学部(仮称)」や、本学の生活科学部に府立大の関連部門を統合した「人間科学域(仮称)」の新設など、先端研究をより強固にするとともに時代のニーズに応じた新たな教育組織の提案など、両大学の強みを強化するとともに、より大きな視点で新たな発展を期待する提言となっております。
また、こういった統合によるスケールメリットを活かした新たな体制の確立する一方で、基礎?学術系が強い本学と、応用?学際系が強い府立大とを現在のキャンパスを基本とした特徴に沿って整理を図るなど、これまでの両大学の伝統や蓄積を活用し、それぞれの強みをより強化する内容となっております。
さらに、提言では、日本ひいてはアジアの中でも強い大学をめざす大学改革のモデルとして、柔軟で持続的に改革する大学をめざし、教員組織と教育組織の分離をはじめ、教員人事の一元化、目標管理体制やキャンパスガバナンスの構築、ブランド戦略強化、教職協働による体制づくりといった、大学運営?ガバナンスの抜本的改革が示されており、これまでにない大学改革を継続して進めるものとなっております。
以上のように、今回示されております「新大学構想〈提言〉」は、これまでの本学の強みをより発展させるだけでなく、理系を中心に成果をあげてこられた大阪府立大学との統合により、より大きなシナジー効果が期待できるものであり、また世界とも戦える新しい公立大学の姿が示されていると考えております。
本学といたしましては、今後この提言に示された大学改革の「さきがけ」となる新大学の実現へ向けて、法的な課題をはじめ乗り越えなければならない課題も多くありますが、学内でも精力的に検討を進めるとともに、大阪府立大学とも手を携えて、不断の努力を重ねてまいりたいと考えております。
在学生のみなさまへ
「新大学構想<提言>」について
大阪の新しい公立大学の姿について、大阪府と大阪市が共同で設置する新大学構想会議において、「新大学構想」の検討が進められ、その内容が新聞等でも報じられています。
将来、大学統合が実現すれば、学生数2万人規模の公立総合大学が誕生し、これまで両大学が培ってきたポテンシャルの活用が図られることとなります。構想会議では、両大学の特徴を最大限に活かした学部再編など、大学改革の「さきがけ」としての新しい公立大学の姿が示されています。
本学では、今後も社会が求める有為な人材を育成し、大阪?関西にとって大きな知的拠点としてその発展に貢献するとともに、アジアの最先端をゆく大学として大きな飛躍をめざしてまいります。
在学生のみなさまについては、卒業までの教育カリキュラム、授与される学位に当然のことながら変更はありませんので安心して勉学に励んでください。